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久美子には、ある自分で決めた約束がある。

それは、自分が昔恩師にしてもらったことで。

すごく嬉しかったから、自分でも必ずするのだと決めていた。

しかし、このクラスで採点をはじめて、初めてやめたいと思ってしまった。

















答えあわせと赤点先生





















「間に合わねー・・・」

ぶつぶつと呟くのは、山口久美子。

彼女は今、数学のテスト採点真っ最中である。

放課後の教室で一人、大奮闘かと思いきや、疲れて机に突っ伏していた。

「あー、机が冷たくて気持ちいいな」

その時、がらりと扉が開いた。

こういう間の悪い時に入ってくるのは、二人しかいない。

一人は教頭であり、もう一人はクラスの生徒だ。

久美子は後者であることを切に願った。

こんなところを教頭に見られでもしたら、説教が何時間続くか分かったものではない。

「何やってんだ・・・?」

「よかった・・・!ありかとな、沢田」

思わず感謝してしまう。

「は?」

話の意図がつかめず、彼は首をかしげた。

「だから、何やってんの」

「ああ、これね。テストだよ、今日の!」

「数学か」

「そう、数学。お前ら、バツ多すぎ」

「俺は、違うだろ」

「ま、そうなんだけどさぁ」

「イチイチ解説なんてつけてっからだよ」

「だってなぁ・・・」

アタシは、すごく嬉しかったからさ。

そういう彼女の顔は、とても教師とは思えない。

「でも、あんまり間違いが多すぎて・・・、アタシは泣けてきた!」

「んなこと、俺に言われても」

「だよなぁ・・・」

「でもやるぞ!すまん、皆!すこしでも、やめようかなぁ、なんて思っちまっ

たアタシを許してくれ!」

この熱血ぶりも恩師譲りかもしれない、と小さく、小さく沢田はため息をついた。







「俺も間違えてみよっかな」

ぽつりとこぼした言葉に。

「はぁ?何でだよ。いいじゃねーか、満点。すげーことだぞ?」

「そうじゃなくて」

全く持って鈍すぎる。

「じゃあ、何だよ」















「お前の愛のこもった字が、見れんじゃん?」

「っ!?」 








思っていた反応と違った彼女の反応に。

沢田は少しだけ、笑みをこぼしたのだった。









≫慎クミの話が読みたいです。【かがりさん】




採点久美子さんの巻。沢田は、ほぼ、満点です。彼の場合、久美子嬢は、やー
い、ここ違うぞ〜、みたいな感じで書くので沢田がムカッときて満点をとって
いた、なんて裏設定があったら萌(笑)。
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