「頼む!東大ちゃん!!!俺を男にしてくれっっっ!!!」 「・・・?え?何をですか?」 「お願いや〜っ!わい、来月に京大友達と集まることになったんや。しかも、 彼女がおるってゆうてしもうて・・・。そしたら、連れてこいっちゅうことに なってしもうたんや。しかも、警視庁に入ったこの天才を妬んでか、『何かお もろい事』をやるっちゅうねん・・・。な?多分推理やで?血が騒がんか?な あ、東大ちゃ〜〜〜ん!!!」 「何か、自分のプライドのために連れて行きたいって感じですね。」 遠山の言葉を聞いていた近藤がぼそっと呟いた。それに、野々村が小声で答え る。 「まあ、今更じゃないかな?でも、遠山君の事だし、一石二鳥を狙って るんじゃないのかなぁ。彼も一応、その、京大出身だし。」 「本能だったりしてな。京大やし。絶対そこまでは考えとらんと思うけど。」 何処にいたのか、彩がいつの間にか近藤の隣でにやにやと笑っている。 「わ、木戸さん!いつここに・・・?」 「何言うとんえん。女の感がアタシをここに呼んだんよ。こんなおもろいこ と、逃してたまるかっちゅうの!」 「「・・・・・。」」 女というものは凄いもんだ。友情よりも面白ければいいのか?と思わず考えて しまう二人であった。とか何とか真剣に物思いにふけっている間に、彩が話し に参加しようとしていた・・・。 「あ、駄目ですよ、彩さん!」 「何言うとんの。ここが出どきや!まあ見ときぃや。」 にっ、と笑うと、泣きすがる遠山を足蹴にしながら柴田に話しかけた。 「なあ、柴田。行かへんの?あんたの大好きな推理があるやん。な?京大?」 ぶんぶんと大きく首を振る遠山。どうしても一緒に言ってほしいと言わんばか りに。彼には、彩が神のように見えた。まさか、自分が利用されていようなど 心にも思っていない。 「ほら、京大もこう言ってることだし、行ってやったらええねん。時間は大丈 夫なんやろ?」 遠山の方をちらりと見て、時間を言うよう促した。 「はい。来月の第二土曜日っちゅうことなんやそうですけど。」 「何もないやん。ほら、柴田。人助け、人助け。」 「え、あの。」 「そんな〜、姉さん。人助けって・・・。」 「文句ある?」 「イエ、ナニモアリマセン。」 「あの〜。」 「なによ。ぐちぐち言わんと、とっとと言っとき!」 「彩さん、どうしてそんなに私を行かせたいんですか?」 「へ?あ、ああ。それはな、京大が推理するんやろ?こいつ、全然、全くもっ て、い・ち・ど・も・当たったためしがないやん。心配なんよ。なんだ。警 察の推理力ってこんなもんか″って思われるのが。しゃくやろ?どうせなら、 すごいな、警察って。これなら安心だって言われたいやん。アタシなりの 刑事魂よ。柴田もそう思わん?アンタの刑事魂はどうよ?」 「・・・!素晴らしいです、彩さん。そんな風に考えていらっしゃったんです ね!感動しました。刑事魂ですね。分かりました。この柴田純、是非、金之助 さんのサポートをさせていただきます!」 「金太郎やっちゅうねん!!まあ、ええわ。今回は許ちゃる。じゃ、来月頼む で。よろしゅうたのんます。あと、もう一つお願いがあるんやけど。」 「何ですか?」 「わいに、推理の基礎を教えてほしいんやけど。」 「やっと、自分の非を認めましたね。そうです。その思いが大切です。何事も 初心に戻らなくては。おまかせ下さい、銀太郎さん!」 彼女として出席することなど、頭からすっぽりと抜け落ちてしまっている柴田 であった。 「おのれ。やっぱりわざとやろ・・・。」 くっ。何となく悔しいが、これも東大ちゃんと話せるチャンスが増えたっちゅ うことでんがな。と、にんまりと笑いながら、小さくガッツポーズをしていた ことを彼女はもちろん知らない。さらに言えば、彼女が承諾したときに黒尽く めの彼の眉がほんの少し動いたことなど、分かるはずもなかった・・・。![]()
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