そろそろ、インタビューの時間だ。確か、バレンタインの特集だったかな。早 めに終わらせたいな。あれ?あそこにいるのは・・・。面白そうだな。 彼のこの行動が後の自分を苦しめようとは心にも思っていなかった蓮である。 「はあ。私って、ホント駄目よねぇ・・・。」 「何が?」 「うわぁっ!!!敦賀さん!!!どっから出てきたんですか!?」 「そこからだが。」 「心臓に悪いんです!あなたの登場の仕方は!!!」 「君が鈍いだけだよ。で?何が駄目なの?」 「うっ・・・。い、いいんです、敦賀さんには関係ないんですから。」 その言葉にカチンときた蓮がキョウコを問い詰めようとしたとき、社がやって 来た。 「あれ?蓮、こんなところで何やってるの?そろそろ記者さんが来ると思う よ。」 「あーーーっ!!!社さんっっっ!!!聞いてくださいよ〜〜〜っ!!」 なぜ、社に言うんだ? 「今度はどうしたの?キョウコちゃん?」 今度?じゃあ、前にもこんなことがあったのか? 「じゃあ、お願いしますね。」 何を頼んだんだ? 「ああ。終わった連絡するよ。」 何を?どうしてだろう。これ以上は聞きたくないな。頭が痛い。風邪か な・・・? キョウコの根性は気に入っているが動機が気に入らない。さんざんそう言って きたが、最近の彼女の仕事振りには、少々関心を持っていた。仕事をしている ときの彼女の顔は生き生きとしていて、とても復讐を考えているとは思えない のである。何か目標を見つけてかな?そう思い、少し微笑ましく思ってしまう 自分にはまだ気づいていない蓮であった。もちろん、わずかな表情の違いであ る為誰にもばれることはなかったのだが・・・。 今日の敦賀さん、何か変だわ。どうしたのかしら。・・・はっ!!これもまた 罠?でも、心配だし。何かあってからじゃ遅いのよ、キョウコ。後悔しないよ うに行ってこなくちゃ!! 先ほどからインタビューを受けている蓮だが、どこか心ここにあらずといった 感じである。実は、先ほどの彼女と社の会話が気になっていたりするのだが、 認めたくないのか、本人にその自覚はない。だからこそ、おかしくみえるのだ が。ところで、何故ここにキョウコがいるのかというと、ラブミー部の仕事だ からである。その内容は、『蓮の荷物もち』。どうしても嫌なキョウコはモー 子に代わってもらおうとしたのだが、ご指名とあってはそういうわけにもいか ず、しぶしぶついてきたのであった。 その日の彼はやはりどこか虚ろで上の空であり、キョウコに声をかけられると はっとした様子でほんの一瞬何かを言おうとするのだが、何事もなかったかの ように口をつぐんでしまう。これは、幸か不幸かキョウコに気づかれる事はな かったがあの蓮を上の空にさせる女としてあっという間に広がっていく、はず だった。しかし、蓮の冷たい笑顔の前にそれはあっけなく崩れていったそう だ。しかし、そんな状態でインタビューをきちんと終わらせた彼はまぎれもな くプロである。 次の後、すっきりとした顔でさわやかに仕事をこなす蓮と、どこか疲れたよう な荷物もちのキョウコを見た人がいるとか、いないとか。しかし、その話を再 び持ち出すような物好きもいないため、全ては闇に葬り去られる事となる。 何があったのかは、彼らだけの心の中に。![]()
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